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「やることが多すぎる」その悩み、当然です
中小企業や地方企業では、「Webにも詳しそうだから」といった理由で、営業や事務、総務の仕事をしながらWeb業務も任される“兼任Web担当者”が少なくありません。
Webサイトの更新、SNS投稿、アクセス解析、メルマガ作成、さらにはWeb広告まで——次々と降ってくる「やっておいて」の依頼。いざ片手間でやろうとすれば時間は足りず、成果も見えにくく、評価もされにくい。
そんな思いを抱える方に向けて、このコラムでは“本業とWeb業務をどう両立するか”という悩みに向き合いながら、少しずつでも状況を改善するためのヒントをご紹介します。
1. 両立が難しい理由は「優先順位の不明確さ」
本業とWeb業務の両立が難しくなる最大の原因は、タスクが並列に積み重なり、どれが重要なのか分からなくなることです。人は「重要だが緊急でないこと」ほど後回しにしがちです。Web業務は、まさにその典型です。
こんな状況に心当たりはありませんか?
- ルーチンの業務に追われ、Webのことを考える余裕がない
- サイト更新やSNSは「気が向いたらやる」状態
- 上司から「Webを何とかして」とだけ言われて、何をすればいいのか分からない
このような状態では、Web業務は“いつまでも後回しになる雑務”のままです。まずは、自分の中での優先順位を整理するところから始めましょう。
2. 「成果が出ること」から逆算して絞り込む
Web担当者の役割は「やることをすべてやる」ことではありません。限られたリソースで「やるべきことに集中する」ことです。あなたの時間は限られているからこそ、全部やろうとせず「捨てる勇気」も必要です。
優先度の高い施策の見極め方
以下の3つの視点で考えてみてください。
- インパクトがあるか?(売上や問い合わせに直結するか)
- 継続できるか?(毎週・毎月のペースに落とし込めるか)
- 今やらなければ後で困るか?(期限・リスクがあるか)
たとえば、
- サイトのお知らせを月1回更新 → 優先度◎
- ブログを週5本更新 → 優先度△
- SNSで「とりあえず投稿」 → 優先度×
手を広げるよりも、「小さくても成果が見える」ものを大事にしましょう。
3. 「定型業務化」と「時間ブロック」で効率化する
兼任Web担当が陥りがちな罠のひとつが、「思いついたときにやる」「頼まれたら都度対応する」というスタイルです。これでは、Web業務が断片的で中途半端になりがちです。
時間ブロックを使う
たとえば、次のように1週間の中に「Webタイム」をあらかじめ確保しておきます。
- 毎週月曜の午前中は「Web更新・アクセス確認」
- 毎週金曜の夕方は「SNS投稿のスケジュール作成」
このように予定に組み込むことで、「今やらなくていいけど、必ずやる」タスクが後回しになりにくくなります。
テンプレートとルーチンを活用する
- SNS投稿テンプレート(構成:タイトル+画像+1文紹介)
- メール配信のひな形
- 更新用の「社内情報共有フォーマット」
こうした“定型化”は、時間短縮だけでなく「考えすぎない」ことで精神的な負荷も減らします。
4. 周囲を巻き込む:Webはあなた一人の仕事じゃない
Web担当は孤独になりやすいポジションです。しかし、情報の発信は会社全体の仕事。あなたが「ひとりで背負う」のではなく、「社内をうまく巻き込む」工夫が必要です。
情報提供のルールを決める
- 「毎月○日までに、今月のニュースを共有してください」
- 「新商品情報はこのフォーマットで提出してください」
こうしたルールを明文化しておくと、「情報が来ないから更新できない」という負のスパイラルから抜け出せます。
社内報告で「価値」を可視化する
アクセス数やSNSの反応など、小さな成果でも社内に共有しましょう。
- 「今月のWebからの問い合わせ数:先月比+30%」
- 「SNSの投稿が2000リーチを超えました」
- 「採用ページに〇〇大学からのアクセスが急増中」
こうしたデータは、Web業務の“評価されにくさ”を打破する有効な武器です。
5. 「頑張りすぎない」ことも、長く続ける秘訣
Web業務は、効果が出るまでに時間がかかります。「すぐに成果が出ない」「やっても反応がない」と感じることもあるでしょう。でも、Webは“継続して初めて意味がある”仕事です。
心が疲れたときは
- 1週間、投稿を休んでもいい
- 「やらないことリスト」を作って、減らすことに専念してもいい
- 一時的に外注してもいい(業者に頼るのは恥ではありません)
何よりも大切なのは、「あなたが続けられる形でやること」。仕事も健康も両立できなければ、どんな成果も持続しません。
おわりに:あなたの存在が、未来の会社をつくる
本業をこなしながらWeb担当も担うのは、決して楽なことではありません。でも、それは会社にとって、あなたが「信頼されている証」でもあります。
あなたの工夫や挑戦が、1年後、3年後の会社の姿を変える可能性があります。
両立は簡単ではありません。でも、焦らなくていい。今できる一歩だけ、着実に進めばいいんです。
あなたは、会社にとって価値ある存在です。どうか、自分を責めずに、今日も一歩前へ進んでください。
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